日本臨床外科学会雑誌
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症例
金属ステント留置術を行った直腸癌腹壁転移による人工肛門狭窄の1例
須藤 隆之藤田 倫寛御供 真吾梅邑 晃石田 馨眞壁 健二
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2014 年 75 巻 1 号 p. 154-157

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抄録
症例は73歳の女性で,2010年6月より,腹部膨満・下痢・体重減少を認め近医受診し,当院紹介となった.精査にて直腸癌・多発性肝・肺転移と診断された.10月,人工肛門造設・皮下埋込型中心静脈ポート挿入した.外来にてべバシズマブ+mFOLFOX6療法を14クール,ベバシズマブ+FOLFIRI療法を7クール,mFOLFOX6療法を9クール施行した.2012年7月末より排便無く,腹部膨満を主訴に来院し,腹壁転移による人工肛門狭窄に伴う腸閉塞と診断した.人工肛門より自己拡張型金属ステント挿入した.挿入直後より多量の排便を認め,翌日より経口摂取開始となった.術後28病日全身状態増悪し死亡退院となった.緩和医療を必要とする全身状態不良症例に対して,人工肛門を造設することは精神的・肉体的負担が大きくQOLの低下を招くことになる.本法は,低侵襲で経口摂取可能となることより患者のQOL向上に有用であると思われた.
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© 2014 日本臨床外科学会
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