日本臨床外科学会雑誌
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症例
手術時に偶然発見されたectopic liverの1例
寺川 裕史中川原 寿俊宮下 知治高村 博之北川 裕久太田 哲生
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キーワード: 異所性肝, 副肝, 腹腔鏡手術
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2014 年 75 巻 1 号 p. 175-178

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抄録

33歳,女性.心窩部痛を自覚し,近医を受診した.精査にて胆嚢結石を指摘され,腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.術中,腹腔内を観察したところ,胆嚢の腹側に付着する10mm大の肝組織を認めた.主肝との連続性は認められなかった.Ectopic liverと判断し,胆嚢と同時に切除した.胆嚢に付着した肝組織は完全な肝小葉構造を有しており,病理組織学的にもectopic liverと診断された.Ectopic liverは,まれな肝の形態異常である.自覚症状はほとんどなく,手術や剖検時に偶然発見される例がほとんどである.Ectopic liverに肝細胞癌を合併した症例や,さらにその肝細胞癌が破裂した症例が報告されている.今回,腹腔鏡下胆嚢摘出術時に偶然発見されたectopic liverの1例を経験したので報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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