抄録
症例は75歳の女性で,持続する血便と肛門周囲結節を主訴に来院し,精査でpagetoid spreadを伴う肛門管癌と診断された.狭窄症状が強く周囲組織への浸潤が疑われたため,一時的双孔式横行結腸人工肛門造設術を行った後,放射線照射(1.8Gy×17回 計30.6Gy)を施行した.その後,腫瘍辺縁部肛門皮膚のmapping biopsyを施行し,肛門皮膚の切除範囲を決定後,腹会陰式直腸切断術施行した.病理組織学的検査で,原発巣では癌細胞は消失し,リンパ節を含め根治切除を行うことが可能であった.術後1年5カ月現在,再発を認めていない.