抄録
症例は30歳台女性で,上腹部痛を主訴に来院した.胆嚢結石と胆管炎の診断で入院したが,胆管造影で結石は明らかでなかった.腹腔鏡下胆嚢摘出術を行ったが,翌日から胆汁漏が出現した.ERC(endoscopic retrograde cholangiography)で胆嚢管断端から胆汁漏を認め,ENBD(endoscopic nasobiliary drainage)を開始した.再検ERCで胆管結石が明らかとなり,EST(endoscopic sphincterotomy)を行った.胆汁漏は軽快し,術後10日目に退院した.本例は術後落下結石による胆管内圧上昇に伴い,胆嚢管断端に破綻をきたして胆汁漏を生じたものと診断したが,落下結石による胆汁漏の発生はまれである.術後胆汁漏に対する内視鏡的治療の報告が増えている.病態に応じてENBDや胆管ステント,ESTの併用が必要と考えられた.