日本臨床外科学会雑誌
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症例
筋強直性ジストロフィー症に併存した肝細胞癌と胃癌の重複癌(32歳)の1例
島田 慎吾小笠原 和宏小林 篤寿河合 朋昭小林 清二草野 満夫
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2014 年 75 巻 10 号 p. 2909-2916

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抄録
症例は32歳の女性.右側腹部痛を主訴に当院を受診した.腹部CT検査で肝右葉に12cmの腫瘍を認め入院となった.上部消化管内視鏡で,胃体上部大弯に0-IIa病変を認め,生検でtub2-por1であった.HBs-AgおよびHCV-Abは陰性であった.既往歴に軽度の発達障害を認めた.肝細胞癌と早期胃癌の合併と診断し,肝切除を先行する方針とした.全身麻酔下に開腹・右開胸による肝右葉切除を施行した.術後,筋弛緩が遷延し自発呼吸が回復せずに人工呼吸器管理を要した.この際,神経内科にてミオトニア現象を確認され,問診で伯父と母に家族歴がみられたため筋強直性ジストロフィー症(MD)と診断された.術後2日目に人工呼吸器から離脱した.胃癌に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術を行い,完全切除しえた.術後12カ月経過した現在も無再発生存中である.MDと悪性腫瘍の合併は稀ではあるが,周術期管理に注意を要する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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