抄録
大腿ヘルニアの虫垂嵌頓はまれな疾患であり,de Garengeot herniaと呼ばれ,本邦での報告例は少ない.今回de Garengeot herniaの2例を経験したので文献的考察を加え報告する.症例1は93歳,女性.右鼠径部の膨隆が徐々に増大するため当院を受診した.超音波検査および造影CTで右大腿ヘルニア虫垂嵌頓と診断し,緊急手術を施行した.腹腔鏡下に手術を開始したが,嵌頓解除が困難であったため,虫垂根部を切離した後,鼠径法に移行し,虫垂を摘出し,UHS®を用いて修復した.症例2は38歳,男性.下腹部痛を認め,鼠径ヘルニア嵌頓の疑いで当院を紹介受診した.単純CTで右大腿ヘルニア虫垂嵌頓と診断し,同日緊急手術を施行した.鼠径法でアプローチし,虫垂を切除し,McVay法で修復した.2例とも,術後合併症およびヘルニアの再発を認めていない.