抄録
82歳,男性.25年前に腎細胞癌にて左腎摘出術の既往がある.その後,腹部大動脈瘤にて当院血管外科にて経過観察されていた.経過観察中に撮影したCTにて膵体部に早期相から造影される腫瘤を指摘された.自覚症状はなく,内分泌系検査の異常値はなかった.EUS-FNAを施行しclass Vと診断した.腺房細胞癌,非機能性神経内分泌腫瘍などが鑑別に挙がったが,既往歴から腎細胞癌の膵転移を最も疑い,その他の臓器に転移を認めないことから膵体尾部切除+脾合併切除を施行した.術後病理検査にて淡明細胞型腎細胞癌の膵転移と確定診断した.腎細胞癌は遅発性に遠隔転移をきたす例もあり,長期的な経過観察が重要であると思われた.