抄録
症例は83歳,女性.左乳房腫瘤を自覚し当院を受診した.視触診・マンモグラフィ・乳房超音波検査・MRIを施行し,左C領域に23mm大の不整形腫瘤を認め,乳癌が疑われた.CTでは左腋窩に10mm大の転移を疑わせる腫大リンパ節を認めたが,明らかな遠隔転移は認めなかった.左乳房腫瘤に対し針生検を施行し,浸潤性乳管癌と診断された.左腋窩リンパ節に対しては穿刺吸引細胞診を施行したが明らかな悪性所見はみられず,左乳房切除術とセンチネルリンパ節生検を施行した.センチネルリンパ節のH.E.染色で類上皮細胞とLanghans型巨細胞,乾酪壊死を認めたため,抗酸菌染色を行ったところ,菌体を認め,結核性リンパ節炎と診断した.乳癌と結核性リンパ節炎が合併したことで,リンパ節腫大に対する診断を困難にさせたと考えられた.