抄録
症例は78歳,男性.便秘と下腹部膨満を主訴に当院を受診し,S状結腸癌イレウスの診断で緊急入院となった.同日,経肛門的にイレウス管を留置し,腸管内の減圧を行った.挿入後3日目に左下腹部痛が出現,腹部骨盤単純CTにて消化管穿孔の診断となり,同日,緊急手術を行った.術中所見にてイレウス管先端部による腸管穿孔と判明し,Hartmann手術を施行した.
左側大腸癌による腸閉塞に対して経肛門的イレウス管による腸管内減圧は有効な手段ではあるが,合併症としてイレウス管を原因とした腸管穿孔に注意が必要である.文献的考察を含めて報告する.