日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵頭十二指腸切除後に発生した感染性肝嚢胞の1例
門脇 晋井上 昭彦尾形 敏郎五十嵐 清美野田 大地池田 憲政
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2014 年 75 巻 2 号 p. 506-509

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抄録
症例は70歳,男性.膵頭部の分枝型IPMNによる繰り返す膵炎のため膵頭十二指腸切除術を施行.術後66日目に発熱のため当科受診.胆管炎が疑われ再入院した.術前より指摘されていたS2の肝嚢胞径が直径33mmから36mmに増大しており,腹部超音波では内部echoの軽度増強,dynamic CTの動脈相で嚢胞周囲の肝実質が区域性に濃染していた.繰り返す胆管炎による肝嚢胞への感染を考え,超音波ガイド下に嚢胞を穿刺したところ膿汁が引け,感染源と考えられた.培養でE.coliが検出された.嚢胞造影では胆管は描出されなかった.嚢胞内に無水エタノールを数回注入し,嚢胞は消失した.術後18カ月現在嚢胞の再出現は認めず,胆管炎も発症することなく経過している.肝嚢胞を有する症例で胆道再建を行った際は,胆管炎のみならず肝嚢胞感染を生じる可能性を念頭に置いて経過観察する必要があると考えられる.
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© 2014 日本臨床外科学会
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