2014 年 75 巻 2 号 p. 521-524
症例は86歳,男性.心窩部痛を訴え来院した.腹部CT検査では胆嚢内,肝内胆道内にガス像を認めた.内視鏡的逆行性胆管造影では胆嚢は描出不良であり瘻孔所見は認めなかったが,便臭伴う胆汁が吸引され,胆嚢結腸瘻が強く疑われた.総胆管ステント留置行い,精査の後に待機的な腹腔鏡下手術を施行した.横行結腸との瘻孔形成を認めた.癒着剥離行い,胆嚢管を処理した.肝床部から剥離し,瘻孔部は切離せず胆嚢および横行結腸を一塊として授動した後,小開腹を加え横行結腸部分切除術を行った.術後は合併症なく経過し,術後13日目に転院した.胆嚢結腸瘻に対しても腹腔鏡下手術にてより低侵襲に治療することが可能であると考えられた.