日本臨床外科学会雑誌
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症例
FDG-PETで高集積を呈した腹腔内デスモイド腫瘍の1例
鈴村 和大近藤 祐一岡田 敏弘飯室 勇二黒田 暢一鳥井 郁子藤元 治朗
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2014 年 75 巻 2 号 p. 573-578

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抄録

症例は70歳の男性で,約2年前に胃癌(T1,N1,M0,Stage IB)に対して幽門側胃切除術を施行した.その後経過観察中にCEAの上昇を認めたため精査したところ,大腸内視鏡・CT検査において横行結腸に粘膜下腫瘍様形態を呈する3cm大の腫瘤を認めた.Fluorodeoxyglucose positron emission tomography (FDG-PET)では腫瘤へのFDGの集積(standard uptake value:SUV max 早期像5.7,後期像7.0)を認めた.術前診断として,胃癌術後リンパ節転移再発・大腸癌・GISTなどを考え手術治療を施行した.腫瘤は肝弯曲部付近で結腸壁に密着して存在し,白色調の弾性硬であり,悪性腫瘍の可能性が否定できないことから,結腸右半切除を行った.病理組織学的診断はデスモイド腫瘍であった.現在,明らかな再発は認めていない.
今回,FDG-PETにて高集積を呈した横行結腸に密接した腹腔内デスモイド腫瘍の1例を経験したので報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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