日本臨床外科学会雑誌
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症例
c-kit遺伝子・PDGFRA遺伝子変異陰性の高リスク胃GISTの1例
岡田 智美松井 隆則山田 知弘廣田 政志藤光 康信小島 宏細田 和貴
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2014 年 75 巻 3 号 p. 680-684

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抄録
症例は69歳,女性.食欲不振と腹部の腫瘤触知を主訴に紹介.画像診断にて右上腹部に境界明瞭で内部が不均一な腫瘤を認めた.Gastrointestinal stromal tumor(GIST)を疑い手術を実施したところ,胃小弯側の漿膜下に直径15cm大の腫瘍がみられ胃部分切除術を行った.病理所見はヘマトキシリン・エオシン染色(H.E.染色)でGISTを第一に考える像であったが免疫染色でKIT(-),CD34(+)で,c-kit遺伝子と血小板由来増殖因子レセプターα(platelet-derived growth factor receptorα:PDGFRA)遺伝子に変異は認めず,c-kit遺伝子変異陰性,PDGFRA遺伝子変異陰性の高リスクのGISTと診断した.術後補助療法を検討したが,imatinib投与は遺伝子変異がみられないため実施せず経過観察中である.
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© 2014 日本臨床外科学会
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