日本臨床外科学会雑誌
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症例
Components separation法とdouble meshで修復した腹壁瘢痕ヘルニアの1例
藤川 幸一寺澤 無我佐々木 健牧野 治文永井 基樹山本 穰司
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2014 年 75 巻 4 号 p. 1110-1114

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抄録

症例は44歳,女性.2009年に臍ヘルニア嵌頓にて手術を施行されて以来,3度のヘルニア再発をきたし手術が施行されていた.最後の手術では感染したデュアルメッシュ®を除去され皮膚のみ縫合されていた.筋膜に12×10cmの欠損を伴う巨大腹壁瘢痕ヘルニアを認め待機的に手術を施行した.筋膜の単純縫合は不可能であったため,components separation(CS)法による筋膜の閉鎖に加え,onlay meshおよびintraperitoneal meshを使用した.
術後は特に問題なく軽快退院された.術後約1年経過され再発の兆候は認めていない.CS法に2層のメッシュを加えた術式が再発を繰り返した腹壁瘢痕ヘルニアに対し有用であった1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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