抄録
Components separation法は正中型腹壁瘢痕ヘルニアに対する再建術式の一つである.われわれはS状結腸癌腹壁浸潤に対しcomponents separation法を用い腹壁再建を行った症例を経験したので報告する.
症例は64歳,男性.下腹部に15cm大の腫瘤を触知,臍部より排膿を認めた.下部消化管内視鏡検査でS状結腸に全周性狭窄を伴う2型病変を認め,生検で高分化型腺癌であった.腹部CT検査でS状結腸の広範な壁肥厚と小腸・膀胱・腹直筋に直接浸潤を認めた.手術はS状結腸切除,小腸部分切除,膀胱前立腺全摘および新膀胱造設,腹壁合併切除・再建を施行した.腹壁は10×10cmの欠損となり,components separation法で再建を行い,腹直筋欠損部はonlay meshで補強した.術後合併症なく,30病日に退院,術後2年無再発生存中である.