日本臨床外科学会雑誌
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症例
同側内・外鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアが併存した1例
柳 舜仁諏訪 勝仁佐々木 優至小村 伸朗矢永 勝彦
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2014 年 75 巻 4 号 p. 1120-1123

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抄録
60歳台男性,胆管膵管合流異常のため近医にて経過観察されている以外に特記すべき既往歴はない.3カ月前からの左鼠径部膨隆のため当院を受診した.身体所見上,鼠径靱帯頭側に還納可能なゴルフボール大の膨隆を認め,左鼠径ヘルニアの術前診断で手術を施行した.手術は前方アプローチにて行った.鼠径管後壁はびまん性に膨隆しており,日本ヘルニア学会(JHS)分類II-3型と診断した.精索内検索では,JHS I-2型のヘルニアを合併していた.腹膜前腔の剥離を行うと,大腿輪に腹膜前脂肪層から連続する脱出を認め,示指頭大のヘルニア嚢と確認された.手術診断はJHS IV型(II-3+I-2+III)であった.ダイレクトクーゲル法にてヘルニア修復術を施行した.医中誌,PubMedを検索した限り,同側の内外鼠径ヘルニア,大腿ヘルニアを合併した症例報告は4例のみであり,非常に稀であると考えられた.
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© 2014 日本臨床外科学会
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