日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
軽症血友病の発見に主眼を置いた術前スクリーニング検査
城田 千代栄
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キーワード: 術前検査, 血友病, APTT
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1158-1163

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抄録
目的:予定手術の術前検査におけるAPTTスクリーニング値を35.1秒(当院基準値40.0秒)とし潜在する血友病を見逃さない工夫を試みた.
方法:2011年4月1日から2013年11月30日までに,予定手術の術前検査を行った445人を対象とした.APTTが35.1秒以上の場合には詳細な問診を行い,凝固能異常が否定的な症例を除外した.残りの全例に,追加検査を行い血友病合併の有無を確認した.
結果:445例のうちAPTTが35.1秒以上であったのは40例(9.0%)で,問診により10例を除外した.残りの30例の最終診断は,凝固能異常なし28例,経過観察中に正常化1例,血友病A1例であった.この患者に家族歴はなく,APTTは39.5秒であった.
結語:血友病を術前検査で発見するためには,APTTを基準値よりも低い値でスクリーニングする必要がある.
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© 2014 日本臨床外科学会
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