抄録
葉状腫瘍は乳房腫瘍中の0.5%以下と稀で,25%が悪性である.われわれは急速増大し,術後短期間に再発・転移した悪性葉状腫瘍の1例を経験した.
症例は38歳女性.1カ月前から急速増大する左乳房腫瘤を自覚,皮膚自壊部から出血し当院受診,緊急入院となった.針生検で葉状腫瘍が疑われ,左乳房切除・植皮術を施行.病理診断は悪性葉状腫瘍であった.術後1カ月で局所再発,多発肺転移出現.症状緩和目的に再発腫瘍切除術・植皮術を施行し術後経過良好であったが,術後10日目のCTで肺転移増大・胸壁再発・骨転移指摘された.初回手術3カ月後,下肢麻痺を主訴に受診,骨転移による脊髄圧迫を認めた.放射線照射およびステロイドパルスも効果なく,再発巣・転移巣ともに増大.初回手術から5カ月後に永眠された.
根治手術後短期間に再発をきたした悪性葉状腫瘍の1例を経験したので報告する.