日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺線維腫症の1例
新田 佳苗金木 昌弘清原 薫杉口 俊寺畑 信太郎
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2014 年 75 巻 5 号 p. 1186-1192

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抄録
症例は46歳の閉経前女性.2010年7月頃より右乳房の腫瘤を自覚したが放置していた.2011年1月に同部位に疼痛を認め当科受診.視触診で右C領域に1.5cmの可動性良好な硬い腫瘤を触知し,マンモグラフィで同部位に非対称陰影を認めた.超音波検査で同部位に周辺組織の引き込みを伴う4mmと6mmの低エコー腫瘤を2個認めた.乳癌を疑い針生検を施行したが,病理検査で線維腫症を疑う所見であった.約1年の経過観察中に皮膚にえくぼ様所見や腫瘤の増大を認め,11月に乳房部分切除を施行した.病理結果は乳腺線維腫症であった.線維腫症は線維芽細胞の浸潤性増殖を伴う良性の腫瘍性疾患であり,触診や画像診断からは乳癌との鑑別が非常に困難である.治療は外科的切除が第一選択であるが,腫瘍切除後局所再発を起こすことがあるため,厳重な経過観察が必要である.非常に稀な乳腺線維腫症の1例を経験したので文献的考察を含め報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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