抄録
症例は53歳,女性.便潜血検査で陽性となり大腸内視鏡検査を施行し,上行結腸癌の診断となった.術前の注腸造影検査では上行結腸にapple core signを認め,また,腸管は全体に腹腔内左側に偏位していた.腹部造影CT検査では,上行結腸は正中に位置しており,SMAがSMVの右側に存在する,いわゆるSMV rotation signを示していた.以上より,腸回転異常症を伴った上行結腸癌の診断で腹腔鏡下手術を施行した.手術所見では,上行結腸は後腹膜に固定されておらず,右尿管や右卵巣動静脈が露出していた.小開腹創から腸管を引き出し,反時計回りに180°回転させたところ,捻れは解消され,右結腸切除術(D3)を施行した.腸回転異常症を伴った大腸癌に対する腹腔鏡手術の報告は比較的まれであり,文献的考察を含め報告する.