2014 年 75 巻 5 号 p. 1423-1427
症例は68歳,男性.平成24年12月に骨盤内を占める大きな腫瘍(φ90mm×140mm×100mm)に対し,腫瘍摘出術を施行.病理組織学的にperivascular epithelioid cell tumor (以下PEComa)でS状結腸に癒着があったため,一部S状結腸も合併切除した.粘膜面は正常であり,病理学的にS状結腸間膜から発生したものと診断した.核分裂像は1/10HPF以下であったが,腫瘍径は5cm以上で,腫瘍の中心部は広汎な壊死に陥っていたことより,悪性のポテンシャルを持った腫瘍の可能性を否定できないと考え,定期的に当院外来にて経過観察を行っていた.平成25年10月に約1年ぶりのfollow upの腹部CTで,下腹部に約55mm大の腫瘤を認めた.また,骨盤腔内右前部の腫瘍に一致してFDGの集積を認めた.(SUVmax 5.828)以上より,PEComaの腹膜再発と考え,摘出術を施行した.病理学的にも基本的に前回と同様の所見を認めた.術後の経過は良好であり,第7病日に軽快退院した.再々発の危険性があるため,今後,3~4カ月ごとの腹部PET-CT検査を予定している.