日本臨床外科学会雑誌
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第75回総会会長講演
直腸癌の外科治療に対する取り組み
前田 耕太郎
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1461-1472

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抄録
直腸癌外科治療の対するこれまでの取り組みを概説した.自律神経温存手術の妥当性に関しては,拡大郭清標本を用いて自律神経周囲組織への微小癌を確認した.10%の直腸癌症例で微小癌が見られたが,転移が見られた症例の予後が不良であり全自律神経温存は根治性に影響ないと考えられた.直腸内には手術操作時に遊離癌細胞がほぼ全例で存在するが,直腸内洗浄により除去できる.結腸内にもこれらが見られるので術中操作に注意が必要である.直腸癌手術の体位は,大腿開脚水平位が視野の面から適切な体位であり,この体位を使用して低位の吻合ではIO-DSTによるdouble stapling techniqueは有用で,K式開肛器を使用して安全に施行できる.E式開肛器と種々の技術を併用したMITASによる局所切除はtotal biopsyの手技として低侵襲な手術であり,2012年より保険収載された.直腸癌手術では解剖を十分熟知して手術にあたる必要があり,若い外科医には臨床から出た発想で工夫されることを希望したい.
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© 2014 日本臨床外科学会
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