日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
Trastuzumab継続療法により再発後17年の生存を得ている乳癌肝転移の1例
矢野 健太郎安藤 二郎水口 知香原尾 美智子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 6 号 p. 1497-1500

詳細
抄録

症例は57歳,女性.1991年12月,右乳癌にて胸筋温存乳房切除術施行.cT2N0M0 stage IIA術後病理では乳頭腺管癌.EIA法にてER(-) PgR(-) (後日,免疫染色にてER(+) PgR(+) HER2(3+)).1996年1月,再発(肝,局所).1996年3月,肝外側区域切除術+胸壁腫瘤切除術施行.1997年11月,残肝再発認め,AC+toremifeneを使用しCR.再度残肝再発認め,2002年6月よりtrastuzumab単独で使用開始しPR.その後,内分泌療法剤や化学療法剤をtrastuzumabとの併用療法・単独療法にて使用し,病勢の進行を抑えている.現在再発より17年経過しているが,外来通院可能な状態である.HER2陽性転移性乳癌に対するtrastuzumab継続療法と化学療法が,長期生存を得るために有効な治療法であると考えられた1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top