日本臨床外科学会雑誌
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症例
上腸間膜静脈血栓症を伴った急性虫垂炎の1例
矢澤 貴大木 進司門馬 智之鈴木 聡中村 泉竹之下 誠一
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2014 年 75 巻 6 号 p. 1611-1615

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抄録

症例は70歳台の男性.発熱,咳嗽,下痢を主訴に当院救急搬送となった.腹部CT検査にて膿瘍を伴う虫垂炎と回結腸静脈からSMVに進展する静脈血栓を認め,SMV血栓症と診断された.虫垂炎に対し,同日,回盲部切除・洗浄ドレナージ術が行われ,術後はSMV血栓症に対し抗凝固療法と抗菌薬治療を行った.術後経過は良好で,ワーファリンコントロールの安定した17病日に退院,外来で血栓の消失を確認後にワーファリン内服を中止した.虫垂炎に併発したSMV血栓症の報告は本邦では9例と比較的少なく,一部では重症化する症例も報告されている.若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2014 日本臨床外科学会
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