日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
術後24年目に下咽頭転移をきたした晩期再発乳癌の1例
細川 優子小倉 廣之瀧 由美子松沼 亮一井手 佳美椎谷 紀彦
著者情報
キーワード: 乳癌, 下咽頭転移, 晩期再発
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 7 号 p. 1818-1823

詳細
抄録

症例は56歳,女性.1987年,他院で左乳癌に対し乳房切除,腋窩郭清を施行された.病理診断は浸潤性乳管癌で,術後タモキシフェンを2年内服.1997年,胸部単純レントゲンにて右肺結節影を指摘され当院呼吸器外科にて右上葉切除施行.病理学的には乳癌肺転移と診断された.術後は経過観察のみで10年間再発所見なく経過した.2011年,労作時呼吸苦が出現し当院耳鼻科にて喉頭鏡を施行.下咽頭に腫瘤が認められ,声帯麻痺を伴ったため,気管切開を施行.精査にて乳癌の下咽頭・左頸部リンパ節転移(ER陽性,PgR陽性,HER2陰性)と診断.アロマターゼ阻害薬投与にて転移巣は縮小し,現在も外来通院中である.

著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top