日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸腔鏡下ドレナージ術を施行した膿胸を伴う降下性壊死性縦隔炎の1例
黒田 晶武藤 潤山村 喜之村川 力彦大竹 節之大野 耕一
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2014 年 75 巻 7 号 p. 1824-1829

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抄録
降下性壊死性縦隔炎は深頸部の感染症が筋膜間隙を通り縦隔に至る,稀で致死率の高い疾患である.われわれは,膿胸を合併した降下性壊死性縦隔炎に対し胸腔鏡下にドレナージ手術を行い良好な経過を得た.症例は70歳台女性.発熱と咽頭痛を主訴に近医を受診し扁桃周囲炎の診断で加療を行われたが軽快せず,6日後のCTで降下性縦隔炎および右膿胸の診断に至り当院へ搬送された.耳鼻咽喉科と合同で緊急手術を行った.頸部経路上縦隔ドレナージ術・気管切開術の後,右胸腔鏡下に縦隔ドレナージ術および醸膿胸膜切除術を施行した.術後1日目にCTを撮影し非ドレナージ領域がないことを確認した.敗血症に至ることなく経過し,術後55日目に軽快退院した.速やかで的確なドレナージは降下性壊死性縦隔炎の治療において最も重要であり,術前CTでドレナージ経路を計画しておくことと,術後CTで非ドレナージ領域の有無を確認することは有用と考えられた.
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© 2014 日本臨床外科学会
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