日本臨床外科学会雑誌
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症例
怒責を契機に発症した血性胸水を伴う右横隔膜破裂の1例
竹林 三喜子草塩 公彦安冨 淳松本 正成鈴木 大宇田川 郁夫
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キーワード: 非外傷性横隔膜破裂
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2014 年 75 巻 7 号 p. 1830-1835

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抄録
症例は87歳,女性.平成24年9月,排便後より持続する腹痛を主訴に当院救急外来を受診.来院時,酸素飽和度の低下と間欠的な強い腹痛を認めていた.血液検査では貧血と脱水,およびLDHとCKの上昇を認めていたが,代謝性アシドーシスはなかった.各種画像検査で右大量胸水および縦隔の左方偏移を伴った右横隔膜ヘルニアと診断し,緊急開腹手術となった.術中所見では肝右葉直上の右横隔膜にφ3cm大の横隔膜破裂部を認め,同部位より約150cmの小腸が右胸腔内へ脱出し嵌頓していた.小腸は容易に還納でき,胸腔内には凝血塊を含む血性胸水2,100mlを認めた.横隔膜破裂部には脆弱箇所はなかったが全層性に破裂していた.明らかな外傷のエピソードなく,非外傷性右横隔膜破裂と診断した.
今回,われわれは比較的まれな非外傷性右横隔膜破裂を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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