抄録
症例は87歳,女性.過去に子宮脱に対して経膣的子宮全摘術が施行されていた.今回,整形外科で大腿骨頸部骨折の入院加療を行っていたところ,帯下への便混入の訴えがあり,外科紹介となった.CT検査でS状結腸の憩室を多数認め,結腸と膣断端との間に瘻孔と思われる内部にガスを混じた管腔構造物を認めた.下部消化管内視鏡検査時にガストログラフィンを注入したところ,S状結腸から膣に向かう瘻孔が確認された.以上から,S状結腸憩室炎によると考えられる結腸膣瘻と診断して,S状結腸部分切除および瘻孔部の縫合閉鎖術を施行した.術後経過は良好で術後15日目にリハビリ病棟へ転棟となった.憩室炎の合併症として結腸膀胱瘻は比較的よく見られる病態であるが,結腸膣瘻の報告は非常に少ないため,若干の文献的考察を加えて報告する.