日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
全結腸におよぶ壊死型虚血性大腸炎の1例
水野 克彦吉田 和世西崎 大輔武田 亮二高橋 滋安井 寛
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 75 巻 7 号 p. 1919-1923

詳細
抄録
症例は80歳女性,左下腹部痛を主訴に近医を受診した.白血球の上昇,腹部単純CTで脾彎曲部周囲の脂肪識濃度の上昇を認め,腸管壊死の疑いで当院へ搬送となった.当院施行の腹部造影CTで上行結腸から下行結腸までの造影効果は不良であった.結腸壊死の診断により緊急手術を施行した.開腹時,粘稠性腹水および盲腸からS状結腸までの腸管漿膜の虚血性変化を認め,全結腸型と診断した.上下腸間膜動脈の拍動を触知し閉塞がないことを確認した.回腸末端より直腸S状結腸部まで全結腸を切除し,回腸人工肛門を造設した.術後,ICU管理し血液透析を行った.血液透析から離脱し術後42日目に退院となった.虚血性大腸炎の中にはまれではあるが,全結腸にわたる壊死へと進行する症例があることを認識し,診断・治療にあたることが必要である.
著者関連情報
© 2014 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top