日本臨床外科学会雑誌
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症例
自然破裂したCA19-9産生脾嚢胞(14cm)の1例
家出 清継永田 二郎佐藤 成憲森岡 祐貴阪井 満橋本 昌司
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2014 年 75 巻 7 号 p. 2024-2027

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抄録
症例は36歳女性で,急激な腹痛を主訴に救急外来を受診された.CTにて脾臓に140mmの多房性嚢胞と腹水貯留を認め,脾嚢胞破裂による腹膜炎と診断した.血液検査にて貧血を認めず,症状も軽微であったことから,待機的手術予定とした.嚢胞が巨大であり,脾動脈の発達も著しいことから,脾動脈塞栓術後に腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.術前の血液検査にても,嚢胞内容液の生化学検査にても,CA19-9は高値を示し,免疫染色では嚢胞内の扁平上皮の表面に付着した液体成分および扁平上皮にCA19-9陽性所見を認めた.術後経過は良好で,血液検査にてCA19-9は正常化し,CA19-9産生巨大脾嚢胞破裂と診断した.CA19-9産生脾嚢胞は本邦報告では約50例とまれである.破裂例の報告は検索しえた範囲では自験例を含めて6例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
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© 2014 日本臨床外科学会
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