抄録
症例は57歳,男性.作業中,草刈り機の先端の旋盤が石のようなものに当たった直後から右大腿部に疼痛,腫脹をきたしたため近医を受診した.症状が増悪したため当院に救急搬送された.来院時,受傷部位に銃創のような傷があり,右大腿は緊満感を伴っていた.大腿X線,造影CTを施行したところ,右大腿深動脈近傍のかなり深い部位に金属様異物が確認された.翌日,手術前に血管損傷を精査する目的で右大腿動脈造影を施行した.浅大腿動脈に小さな仮性瘤を認めたため,8mm×40mmのカバードステントを留置した.引き続き全身麻酔下で右大腿異物除去を施行した.右大腿内側にある異物挿入創を拡大し,透視下に異物が通過したルートに沿って創を拡げ,血腫除去・剥離を進めていき,長さ約3cm,直径約5mmの古い金属片を摘出した.術中出血はほとんどなく,術後経過は良好であった.