日本臨床外科学会雑誌
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原著
呼吸器外科手術における下剤による術前処置の必要性についての前向き検討
水上 泰安達 大史有倉 潤近藤 啓史
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キーワード: 呼吸器外科, 術前処置, 下剤
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2069-2072

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抄録

呼吸器外科手術において,術前処置として下剤を内服する施設は多いが,一定の見解はない.当センターでも寝前にセンノシドを内服しているが,前処置を施行する利益があるかどうかは不明であった.2012年9月から2013年2月までの手術症例を前向きに検討した.前半に従来通りの下剤による前処置群(下剤群)の50例,後半に下剤による前処置無し群(下剤なし群)の50例を対象とした.前処置群のうち50例中,2例が下剤内服を拒否したため,48例を解析の対象とした.術前の腹痛,術中の便失禁,術後創感染の症例を認めなかったが,手術前日から手術当日までの排便回数については有意に下剤群で多かった(p=0.017).術後の排ガス・排便までの日数,術後合併症については両群間に差を認めなかった.呼吸器外科手術において,下剤による術前処置を施行せずとも安全に手術を行うことができると考えられた.

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