日本臨床外科学会雑誌
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原著
閉鎖孔ヘルニア61例の検討
岩田 力磯谷 正敏原田 徹金岡 祐次前田 敦行高山 祐一
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2073-2078

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抄録

目的:1996年以降,急性腹症に対して積極的にCT検査を行うことで診断能の向上を認めた.今回,閉鎖孔ヘルニアについて検討した.対象および方法:1973年から2011年までに手術が施行された閉鎖孔ヘルニア61症例を対象に,1995年以前(前期群30例)と以降(後期群31例)に分けて患者背景・術前診断率・手術成績・術後経過を検討した.結果:平均病悩期間(日)(前期群:3.2,後期群:2.8)を含め患者背景に有意差を認めなかった.CT施行率増加(前期群:20.0%,後期群:96.8%)に伴い,術前正診率の向上(前期群:53.3%,後期群:93.5%)を認めたが,腸管切除率,術後合併症発生率の減少は認めなかった.平均入院期間は前期群26.1日,後期群20.0日と短縮した(P<0.05).結語:CT検査により術前正診率は向上したが,病悩期間に有意差はなく,それに付随してか腸管切除率は減少しなかった.

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© 2014 日本臨床外科学会
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