日本臨床外科学会雑誌
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症例
カプセル内視鏡で疑われ単孔式腹腔鏡下手術で治療したMeckel憩室の1例
松下 典正須藤 泰裕芹澤 朗子窪田 猛井上 達夫
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2014 年 75 巻 8 号 p. 2224-2228

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抄録

今回,われわれは繰り返す下血の精査中カプセル内視鏡検査にて疑われたMeckel憩室に対し単孔式腹腔鏡下手術(single-incision laparoscopic surgery: SILS)で治療した症例を経験した.症例は20歳女性.2011年12月に黒色便を認め,上・下部消化管内視鏡検査を施行するも出血源を認めず経過観察されていたが,2013年1月に再度下血を認め入院となった.再度諸検査を施行するも出血源を認めずカプセル内視鏡検査を施行した.撮影画像において回腸内腔に血液およびMeckel憩室入口部を疑う陥凹を認めたため,臍部からのSILSで憩室を含む小腸部分切除術を行った.カプセル内視鏡検査により術前にMeckel憩室の存在が疑われたことにより低侵襲手術としてSILSが可能であった.Meckel憩室に対するSILSは整容性と根治性が両立した有用な術式であると考えられた.

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© 2014 日本臨床外科学会
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