抄録
気腫性胆嚢炎はガス産生菌を起因菌とするまれな疾患である.通常の急性胆嚢炎に比べて急速に重篤化し,胆嚢の壊死や穿孔の可能性が高く早期に適切な治療を行う必要がある.症例は89歳の女性.発熱と嘔吐を繰り返すため当院を受診.CT検査では胆管内に結石が存在し上流の胆管は拡張していた.また胆嚢は腫大し,胆嚢壁内・門脈内にガスを認めた.以上より,総胆管結石による急性閉塞性化膿性胆管炎および門脈内ガスを伴った気腫性胆嚢炎と診断した.高齢のため耐術困難と判断し,ドレナージを優先した.経皮経肝胆嚢ドレナージを検討したが,腹部超音波検査では,胆嚢壁内のガスの影響で胆嚢の全体像や穿刺ルートの同定が困難であり断念し,逆行性胆道ドレナージを行った.全身状態安定し,翌日に手術を施行した.急性閉塞性化膿性胆管炎や門脈内ガスを伴う気腫性胆嚢炎は極めてまれであり,若干の文献的考察を加えて報告する.