抄録
症例は59歳の男性.3日前からの発熱,心窩部痛を主訴に近医を受診し黄疸を指摘され当院へ紹介となった.眼球結膜の黄染と血液検査で高度の炎症と閉塞性黄疸,肝胆道系酵素の上昇を認めた.腹部エコーで胆嚢の腫大が著明で結石は明らかではないが胆嚢内にdebrisが充満していた.急性胆嚢炎の診断でPTGBDを施行し血性排液を認め出血性胆嚢炎と診断し腹腔下胆嚢摘出術を施行した.術中所見では胆嚢の腫大と大網の癒着を認めたが胆嚢床の癒着は軽度だった.摘出された胆嚢内腔に充満した凝血塊と胆嚢粘膜に限局した浅い潰瘍病変を認めた.病理学的には潰瘍部に露出血管があり,胆嚢内腔側の血管壁が破綻した動脈と考えられDieulafoy潰瘍からの出血を伴う胆嚢炎と診断された.胆嚢に発生したDieulafoy潰瘍は極めて稀であるため,若干の文献的考察を加え報告する.