日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を施行した虫垂粘液嚢腫の11例
宇高 徹総山本 澄治遠藤 出井野川 英利久保 雅俊水田 稔
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2015 年 76 巻 1 号 p. 63-66

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抄録
虫垂粘液嚢腫は稀な疾患であり,破裂することで腹膜偽粘液腫をきたす可能性があるため手術適応とされている.過去11年間に当科で腹腔鏡下手術を施行した虫垂粘液嚢腫11例を経験した.年齢は35歳~86歳,男性3例・女性8例であった.主訴は腹痛が3人で,その他の9人は無症状であった.CTで全例に虫垂に嚢胞性病変を認め,腫瘍の大きさは5.0cm~13.8cm(平均7.8cm)であった.術前診断は全例虫垂粘液嚢腫であった.手術術式は腹腔鏡下盲腸部分切除術が1例,腹腔鏡下虫垂切除術が4例,腹腔鏡下回盲部切除術が6例であった.病理診断は全例虫垂粘液嚢胞腺腫であった.術後入院期間は4~15日間(平均9.7日間)で,術後合併症はなかった.全症例再発なく生存中である.
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© 2015 日本臨床外科学会
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