日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃結腸瘻をきたした横行結腸癌の2例
岸本 拓磨岡田 禎人林 英司太平 周作石田 陽祐
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2015 年 76 巻 2 号 p. 327-331

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抄録

症例1は74歳,男性.数日前からの食思不振あり,急性発症の腹痛を主訴に当院救命救急センター受診した.腹部造影CTにて横行結腸脾彎曲側に腫瘤を認め,胃への直接浸潤を認めた.下部内視鏡検査にて横行結腸に全周性腫瘍を認め,上部内視鏡検査では胃体中部に壁外性腫瘍の浸潤所見を認めた.結腸生検より低分化腺癌を認め,横行結腸癌および横行結腸癌による胃結腸瘻と診断した.結腸左半切除術,胃分節切除術を行った.症例2は87歳,男性.2週間前からの食思不振と右上腹部痛あり近医受診し,腹腔内腫瘤疑いにて当院紹介となった.腹部造影CTにて横行結腸肝彎曲側に腫瘤を認め,上部内視鏡検査では胃前庭部に壁外性腫瘍の浸潤所見を認めた.結腸生検にて低分化腺癌を認め,横行結腸癌および横行結腸癌による胃結腸瘻と診断した.結腸右半切除術,幽門側胃切除術を行った.今回われわれは,胃結腸瘻をきたした横行結腸の2例を経験したので報告する.

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