日本臨床外科学会雑誌
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症例
21歳女性の横行結腸印環細胞癌の1例
石原 博雅中山 裕史片岡 政人竹田 伸近藤 建
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キーワード: 若年者, 大腸癌, 印環細胞癌
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2015 年 76 巻 2 号 p. 323-326

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抄録
症例は21歳,女性.既往歴,家族歴は特になし.2012年12月上旬から腹痛,便秘,下痢を繰り返していた.近医で内服処方されたが症状改善せず,腹痛で体動困難となり当院救急外来受診された.腹部CTにて横行結腸に狭窄を認め,大腸イレウスと診断.同時に右卵巣腫瘍も認めた.透視下下部消化管内視鏡検査にて横行結腸に全周性狭窄を認め,横行結腸癌卵巣転移が最も疑われた.経肛門的イレウス管にて減圧した後,腹腔鏡下横行結腸部分切除,D2リンパ節郭清,右卵巣腫瘍摘出術を施行した.術後病理結果は横行結腸印環細胞癌卵巣転移(type4,sig,SE,N2,ly1,v0,H0,P2,M0;stage IV)であった.術後化学療法は拒否され外来にて経過観察としていたが,術後8カ月で左卵巣転移増大・腹膜播種再発を認めた.化学療法の希望もなく在宅にて緩和療養継続としたが,術後13カ月で原病死となった.
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© 2015 日本臨床外科学会
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