日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
大腸癌における術中腹腔洗浄細胞診の有用性
二階 春香小山 基諸橋 一坂本 義之村田 暁彦袴田 健一
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2015 年 76 巻 3 号 p. 466-471

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抄録

大腸癌における術中腹腔洗浄細胞診の陽性率を解析し,予後因子としての有用性を検討した.方法:2005年1月から2014年4月に大腸癌手術で洗浄細胞診を行った687例を対象とした.(1)背景因子別細胞診陽性率を解析し危険因子を検討した.(2)術後2年以上経過した治癒切除433例を対象に細胞診陽性と予後を解析した.結果:(1)細胞診陽性率は9.6%.多変量解析でpT4(Odds ratio;以下OR:10.02,P<0.001),ly2-3(OR:4.16,P<0.001),腹膜播種(OR:5.14,P<0.001)が有意な危険因子であった.(2)細胞診陽性は5年無再発生存率(細胞診陽性:65.0%,陰性:80.1%;P=0.038)と5年生存率(陽性:48.6%,陰性:89.1%;P=0.015)で有意に予後不良であった.結語:洗浄細胞診は再発や予後の予測因子として有用である.

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© 2015 日本臨床外科学会
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