日本臨床外科学会雑誌
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症例
結節性硬化症に合併した後腹膜血管筋脂肪腫の1例
内田 雄一郎河本 和幸
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2015 年 76 巻 3 号 p. 622-625

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抄録

症例は結節性硬化症の50歳の女性,健康診断の腹部超音波検査で腹部腫瘤を指摘された.造影CT検査で上行結腸背側の後腹膜に10cm大の脂肪濃度の腫瘤を認めた.後腹膜腫瘍の診断で切除を行い,後腹膜血管筋脂肪腫の診断に至った.結節性硬化症は腎血管筋脂肪腫を高率に合併するのが一つの特徴である.本症例でも両側に腎血管筋脂肪腫の所見を認めているが,腎外血管筋脂肪腫の合併は極めて稀である.血管筋脂肪腫が腎外に発生することは少なく,後腹膜血管筋脂肪腫はこれまで32例が報告されているが,結節性硬化症と後腹膜血管筋脂肪腫の合併例は報告がなく,本症例は貴重な症例と考えられる.

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© 2015 日本臨床外科学会
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