抄録
症例は70歳,女性.心窩部痛を主訴に近医を受診した.めまいも認めたため当院を紹介受診した.腹部CT検査では十二指腸内に境界明瞭な7cm大の円形腫瘤を認めた.上部消化管内視鏡検査では胃穹窿部から索状物が認められ,幽門洞へ引き込まれていた.その先端は十二指腸にあり,潰瘍を伴う粘膜下腫瘍であった.内視鏡的に整復すると,病変は胃穹窿部前壁を主座とする粘膜下腫瘍で,生検ではGIST疑いであった.以上より,胃穹窿部から発生した内腔発育型のGISTと診断し,腹腔鏡下胃内手術を行った.摘出した腫瘍は大きさ70×50×52mmで,病理学的にはintermediate-grade GISTであった.Ball valve syndromeをきたした胃穹窿部GISTに対し内視鏡下に整復後,腹腔鏡下胃内手術で切除した1例を経験したので報告する.