日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝・肺再発に対し切除およびRFAを行い長期生存中のAFP産生胃癌の1例
山村 喜之梅本 一史鈴木 友啓吉岡 達也村川 力彦大野 耕一
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キーワード: AFP産生胃癌, 肝転移, 肺転移
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2015 年 76 巻 5 号 p. 1025-1030

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抄録

症例は74歳,男性.胃癌の診断にて胃全摘術を施行した.病理組織診断はStage IBだった.術後23カ月,CTで肝転移を認めTS-1+CDDPを2クール施行後,肝S5部分切除術を施行した.病理組織学診断ではAFP産生胃癌の肝転移を疑ったため,胃の検体を再検討したところ,免疫染色でAFP陽性を示し,AFP産生胃癌(肝様腺癌)と診断した.原発巣切除後33カ月(肝切除後5カ月),胸部CTで右肺S3に腫瘤を認め,paclitaxel(PTX)開始したが血清AFP値が上昇し続けたため右肺部分切除術を施行した.病理組織学的診断はAFP産生胃癌の肺転移であった.原発巣切除後53カ月(肝切除後25カ月,肺切除後10カ月)のCTで肝S8に腫瘤影認め,肝転移が疑われ経カテーテル肝動脈塞栓術併用のラジオ波焼灼療法を施行した.その後,外来にて経過観察しているが,原発巣切除後10年目で再発認めず生存中である.

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© 2015 日本臨床外科学会
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