2015 年 76 巻 6 号 p. 1266-1271
目的:常時循環型排煙システムAIRSEALの有用性について検討を行った.
対象と方法:基礎実験ではAIRSEALの気流の流れ,大動物実験では圧の維持性を,臨床検討として胸腔鏡下食道手術におけるAIRSEAL群とUHI-4群の手術成績について比較検討を行った.
結果:基礎実験では,ポート先端より外反する気流と撹拌状況が描出された.大動物実験ではAIRSEAL群の視認性・操作性が有意に示された.臨床検討では,胸腔内操作時間,胸腔内出血量はAIRSEAL群が有意に優れていた.術中体温は手術開始後1時間,胸腔内操作終了時に,有意にAIRSEAL群において体温低下を認めたが,手術終了時において有意差は認めなかった.
結語:AIRSEALは,循環型排煙により良好な視野を維持し,手術時間短縮・出血量軽減に寄与した.