抄録
66歳の女性で,腹部膨満感の精査にて,10cm大の腹腔内腫瘍を認め入院となった.入院時から炎症反応の亢進を認め,発熱・頻脈・白血球数から全身性炎症反応症候群と診断した.血小板数の低下,FDPの上昇を認め,腸間膜腫瘍の診断で緊急手術を施行した.空腸起始部の腸間膜に腫瘤を認め,近接する空腸を巻き込んでいた.腸間膜腫瘍切除,小腸合併切除術を施行した.病理組織検査にて,anaplastic lymphoma kinase(以下ALK)陰性anaplastic large cell lymphoma(以下ALCL)と診断した.術後速やかに解熱し,全身状態の改善が得られた.その後再発を認めたが,化学療法を施行し術後4年8カ月の現在までCRを維持している.ALK陰性ALCLは,腸間膜原発例は稀で,化学療法の効果が乏しい疾患である.本症例では長期CRを維持しているが,症例の蓄積が必要と考えられた.