日本臨床外科学会雑誌
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症例
膵尾部合併切除を要した後腹膜高分化型脂肪肉腫(24.5kg)の1例
上坂 貴洋三澤 一仁武田 圭佐菊地 一公大島 隆宏大川 由美
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1782-1786

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抄録
症例は44歳,女性.1年半前から下腹部の膨隆を自覚し,半年前から急速に増大したため当院を受診した.初診時,上半身のるい痩が顕著である一方,腹部は高度に膨隆していた.腹部CTでは巨大腫瘤が腹腔内を占拠し,所見から後腹膜脂肪肉腫が疑われ外科的切除の方針となった.開腹時,腫瘤は腹腔内の他臓器を圧排するとともに膵臓を取り囲む形で存在していた.脾臓および膵尾部の合併切除を要したが腫瘤の切除は可能であった.切除標本は63×41cm,重量24.5kgと巨大であり,病理組織検査では高分化型脂肪肉腫と診断された.半年後に肝表面および後腹膜に再発を認め再切除術を施行したが,その3カ月後に多発肝転移が出現したため全身化学療法を開始した.その後も多発肝転移は増大し,初回手術から2年7カ月後に死亡した.本症例のごとく巨大な後腹膜脂肪肉腫は稀であり,本邦報告例の中では最大であった.若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2015 日本臨床外科学会
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