日本LCA学会誌
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解説
LCT環境教育を取り巻く環境の変化とこれからの可能性
松本 真哉
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2020 年 16 巻 4 号 p. 212-219

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抄録

ライフサイクル思考 (LCT) を取り入れた環境教育の提案から 10 年以上が経過した。すでに関連する教材が学校での教育内容の一部として定着したものも見られるようになった。一方、学校現場では、通常の教育活動に加え学内外の様々な対応が増加している。そのため、教員の負担が定常的に高い状況が続いていることに懸念も持たれている。この様な状況で、新しい概念を教えるために多くの準備が必要な新たな教材を取り入れることは、教員にとっては容易ではない。また 2020 年は、新型コロナウィルスの影響のために学校の活動に数多くの制約が生じている。そのため、新しい教材導入の障壁はより一層高くなっている。しかしちょうどこれからの 1 ~ 2 年は、社会環境の変化に伴う学校での教育内容や教育手法の大きな変化が期待できる期間でもある。本稿では、筆者のこれまでの LCT 環境教育の教育研究の経験から、関連する教材の学校への導入の課題を提示する。そして現在、学校で進行中もしくは進められようとしている教育の変化に、LCT 環境教育が資する可能性について論じる。

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