日本臨床外科学会雑誌
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症例
刺青時に感作したと思われたlatexによる術中アナフィラキシーショックの1例
三原 勇太郎鈴木 稔木村 寛子赤須 玄濵田 伸哉篠崎 広嗣
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2015 年 76 巻 7 号 p. 1801-1806

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抄録
症例は51歳,男性.全身に広範な刺青を有する患者.直腸癌に対し低位前方切除を施行中,突然の血圧低下,頻脈,顔面紅潮をきたした.アナフィラキシーショックを疑い,手術を中止した.Epinephrine投与などによりバイタル安定し改善を得た.術後検査でラテックスに対する特異的IgE抗体陽性であり,ラテックスアレルギーを考え,ラテックスフリー環境下で再手術を行い,問題なく手術を終了しえた.ラテックスは術中アナフィラキシーの原因の一つであり,文献報告が散見される.一般に,頻回に手術や医療処置を受ける患者に加え,医療従事者や製造業などゴム手袋着用頻度の多い群でリスクが高いとされるが,本症例はラテックスアレルギーのハイリスク群には該当せず,刺青の長期に渡る作成過程でラテックスに感作した可能性を考えた.
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© 2015 日本臨床外科学会
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