抄録
症例は76歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘され紹介となった.胸部CTで右肺上葉に45mm大の腫瘤を認め,PET-CTでは同部位にSUVmax 13.5の集積を示し肺癌を疑った.縦隔肺門リンパ節はCT上短径1cm以下,PET-CTでの集積も軽度だったため縦隔リンパ節転移はないと判断し手術を実施した.右肺上葉切除を行い迅速病理診断でcarcinomaと診断されリンパ節郭清に移ったが,上縦隔を占めていたのは白色の腫瘍だった.腫瘍の尾側は迷走神経と連続しており,迷走神経由来神経原性腫瘍と判明し,上縦隔郭清とともに腫瘍切除を行った.病理診断では肺癌は多形癌,神経原性腫瘍は神経線維腫だった.身体所見としてカフェ・オ・レ斑を有し,既往歴に大腿の神経線維腫切除があり神経線維腫症I型と診断された.