日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
脳死肺移植後4年目に発症した乳腺葉状腫瘍の1例
榊原 優香進藤 久和矢野 洋大坪 竜太松本 恵永安 武
著者情報
キーワード: 移植, 葉状腫瘍, 免疫抑制
ジャーナル フリー

2015 年 76 巻 8 号 p. 1842-1846

詳細
抄録
症例は40歳台,女性.3年前に肺リンパ脈管筋腫症(Lymphangioleiomyomatosis;LAM)に対し,脳死右片肺移植術を施行し免疫抑制剤を当科プロトコールに従い内服していた.左乳房腫瘤を自覚し,当科を受診.マンモグラフィにて左乳房CD領域に2.0cm大の腫瘤を認め,針生検にて葉状腫瘍の診断を得た.受診3カ月前の胸部単純CT検査では乳房に腫瘤影は認めず,腫瘤指摘3カ月後には4.0cm大に増大しており,腫瘍摘出術を行った.術後病理所見は境界悪性葉状腫瘍の診断であった.葉状腫瘍は急速に増大する例があり,本症例と免疫抑制剤の因果関係は明らかではない.しかし,免疫抑制剤の長期内服により,移植後患者では悪性腫瘍発症率が高く,進行が速い可能性が示唆されている.本邦には臓器移植後の悪性腫瘍に関するまとまったデータはなく,スクリーニングには指標がないため,サーベイランスの早期確立が望まれる.
著者関連情報
© 2015 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top